レッドタートル ある島の物語

2016/09/26 TOHOシネマズなんば
6/10

なんか同じことばっか言ってるみたいで
申し訳ないんだけど

是非これ
小さいお子さんがいるんなら
一緒に観に行ってあげて
欲しいんですけどね

観た後
ポカーンとなっちゃうかもしんないけど
忘れ去られることなんてあり得ない作品
になることだけは確かですから

面白かったどうかの話じゃないのね

画の状況であるとか
点でしかない人物の両目であるとか
そういや
ワァー! とか アー! ばっかで
セリフなかったなぁとか
そういうことが脳にはり付いて
離れなくなるんだと思う

「かぐや姫の物語」なんて
いきなり観せちゃったら
パニック起こして
二度と立ち直れなくなるからさ
今作くらいがちょうどいいんですよ

uploaded

東映まんがまつり「西遊記」
「長靴をはいた猫」とか
「空飛ぶゆうれい船」もそうだね
「クレオパトラ」なんてのもあったなぁ
そうそう「千夜一夜物語」もね
あぁーでもこの2つは
親子で観るにはちとキビシイかな
とにかく
脳にこびりついちゃってて
どんな画だったか
すぐに記憶再生できるからね
この歳になっても未だなお

ストーリーが分かりづらいとか
そんなこと二の次でいいんですよ
たぶん親より子供の方が
自由奔放な自分なりの解釈で
より作品を豊かにしてくれますからきっと

たまたまテレビのスイッチ入れたら
今作が放映されてたとする
一度見たからもぉいっかぁ なんて
あまり今作に
もともと執着心がなかった人でさえ
そのままだらだらと見続けちゃって
結局最後まで付き合っちゃう

そんな映画ですよね これって

%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%89%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%ab4

丈夫なヤツなら
200年生きちゃうらしいウミガメさん
そのうちの30〜40年を共に夫と過ごし
確固たる記憶を身体へ刻み込んだように
10歳にも満たない子供と映画館へ出向き
今作を観る/観せることによって
揺るぎようのない記憶を貼り付ける作業

レッドタートルが地上で果たした「結果」とは
そのようなことではなかったか?

そんな風にも思えたりしています

20160927-040507

なんて
このまま終わっちゃいそうな雰囲気
ビシバシ出てますけど
ちょっとこれじゃ短すぎるんで
もう少しだけ

 

まずね
クレジット見て驚いちゃったのが
パスカル・フェラン
脚本に参加してるってこと

これ 凄いことなんですよ
寡作でこっちは待ちきれない状態なのに
黙ってアニメ製作に参加してただなんて

ま でも 喜ばしいことです

20160927-040041

それと
中盤までずっと想起してたのが
「クルーソー」っていう作品
88年なんでもちろんブニュエルじゃないよ

知らないよね?

なんかAmazonで検索しても出てこないし
廃盤なんだろうねきっと

キャレブ・デシャネルが監督してんだけど
この人はカメラマンとして有名で
最近だったら
トム・クルーズ「アウトロー」とか
80年代だったら「ナチュラル」なんかで
腕をふるってたりしてたんだけど
その2年前の1982年
「ライトスタッフ」に参加する1年前に
「マジック・ボーイ」を初監督として世に出すわけ
この映画がムチャクチャ好きで私
何度も何度もビデオで観返してた記憶があります
「グランド・イリュージョン」なんかより
よっぽどワクワクさせてくれるし
ラウル・ジュリアがマジサイコーなんよ
ホンマやで奥さんマジやてマジ
コッポラが製作してるっていうより
音楽がジョルジュ・ドルリューなんだっせ奥さん
マジやでこれ信じられへんわどないしょホンマ
アカンはコレアカンやつやアッははぁあーー〜〜

牢屋の扉がスゥーッと開いて
ゆっくり ゆっくりと
足裾の長いスーツ姿の少年が歩いて行く
とんでもない叙情性だけで出来上がったカット
あそこに差し掛かると
わかってても涙が止まらなくなる
もぉボロボロやわ奥さん助けてぇ〜

20160929-010013

てな具合に
いいもの撮ってらっしゃるんですけど

意外なのが
救援要員として
けっこうな有名どころに
クレジットされたりしてるのね

まず
「THX-1138」(1971)での追加撮影
「こわれゆく女」(1974)も追加撮影
「地獄の黙示録」(1979)では
特別完全版の挿入シーン撮影
「タイタニック」(1997)でも
一部の撮影を任されてたみたい

news_xlarge_redturtle_1607_06

ということで
「クルーソー」に戻るんだけど

もちろんこれ
ロビンソン・クルーソーのお話なんだけど
とにかく想像を絶するほどに
暗い空気が全編を支配しているわけ
観た後しばらくは目線上がんないから
「キャスト・アウェイ」がどれほど明るい映画か
思い知らされることになるよきっと

今作にあそこまでの絶望性を感じないのは
やっぱり
アニメーションによって語られていることが
要因の1つだと思うんですよ

「生々しさ」がどうしても削られてしまう

いいとか悪いの問題を言ってるんじゃないですよ
単にそういうことだ ってことね

20160927-040635

逆に
CGなしの実写では獲得できなかったものが
今作にはあります

海中シーンであれ 陸地であれ
余計と思われるものを一切排し
それを思い切った引きの画で
提示することで生まれる「抽象性」により
否が応でも浮上してくる
自身へ向けられた
「ちっぽけ」という改めての認識

20160927-041221

「孤独」なんかじゃありません
ぼっち感なんかじゃもっとない
孤独ってのは
自分以外を感じるから
引き起こる感情ですからね
都会で孤独を感じることはできても
無人島でたった1人じゃ
「孤独」という認識はやがて薄らぎ
綺麗さっぱり消えてしまう筈です

海中でいくら泳いでも前進はおろか
後退すら感じられない「ちっぽけ」

筏を壊されても
すぐに浜へ戻って来れているという
逆説的「ちっぽけ」

どこで寝起きしようが結局は同じことだ
という結論に達する「ちっぽけ」

レッドタートルが
女性へとメタモルフォーゼするまでは
このように感じてました 私は

20160927-035837


女性と結ばれ
息子も生まれてからは
「未知との遭遇」(1977)のことを
考えてたわけです

あの島をマザーシップと見立てれば
けっこう面白い解釈が可能となり
それも許されるのではないかと

20160927-035757

深い底から男とカメたちが揺らぐ姿を捉えた
仰角ショットなんて
「特別編」でロイが
初めて館内に入って目にした光景のようだし
そういえば
あの時の内部描写って
そうとう簡略化されていたなぁ
なんて思い出されたり
もしやあの中では
自然の風景そのまんまが
展開されていたんじゃなかろうか
とも勘ぐってしまうんですよ
「トゥルーマン・ショー」の海かもしれない
っていう見解にも行きつくし
あんまり沖へ出ると
空が壁だってバレちゃうから
妨害されてたんだっていうさ

640-26

想像するのはタダですから
考えたい放題です

何よりですね
少年が両親とさよならする時に
じっと待ってた3頭のウミガメが
3機の小型UFOに見えて仕方なかったです
マザーから解放する役目のシモベたちね

128850535506516219613_101031_10

字義通りに映されたまんま考えてみても
とっても切なくなりますし

だって
何度も何度もアタック仕掛けて
筏を破壊してたのが
やはりレッドタートルだと仮定すると
男に去って欲しくないっていう想い以外ないわけで
言葉がないから
ああいう風に身体で示さないとどうにもなんないし

「置いていかないで」
ってことですよね
ということは
男の行動の一部始終を
海側からいつも観察してたってことになるわけで
それに男の方はまったく気付けていなかった
ということにもなるし

何よりすごいのは

この辺の描写を一切省き
事後的事象を我々に提示することのみで
完全なる「ファンタジー」を目論んでいる
という点です

640-25

「スプラッシュ」だと多少なりとも
人魚側がトム・ハンクスを見初める視線
というのが存在してたんだけど
ここではそれが一切ない
っていう大胆極まりない手法

これはもっと注目されていいと思う

想像してみてくださいな

昼間だけじゃない
星空の下
砂浜で動かず寝てるだけの男を
海の中からじぃーっと見てるだけで
幸せになれてるレッドタートルの心情を

20160927-040124

ストーカーだとかいう言葉を
破廉恥だとはねのけるほどの
底知れぬ「パワー」があるじゃないですか

そのあと浜辺で見つかって
こん棒で頭ぶん殴られて
仰向けにまでされちゃうんだよ
なんのプレイだよこれ!?
Amazonで赤い甲羅売ってねぇのか?
買ってその中入ったら
誰かぶん殴ってくれるのか?
仰向け腹出し鬼ごっこ
ノッてくれるパートナー
緊急大募集中です

20160927-041132

といったところで

台無しな上 尻切れとんぼ な いつもの私

こんなB級感大好き変態オヤジが
今日も愛を込めてお送りいたしました

 

20160927-040800

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です