だれかの木琴

2016/09/15 シネマート心斎橋
4/10

まぁ こんなことだろうとは
思ってましたけどね(笑)

東陽一の作品に
何の思い入れもありませんし
嫌いとかだったらまだしも
好きでも何でもないっていう
「無」の境地ですから
手をこまねくこともなく
ただ見終わっただけである
という 悟りにも似た心境です

きっと原作自体が
つまらない代物に違いないんだろうなぁ
なんてことも思わせてくれたりする
スカスカの間延び演出

この歳だけど俺はまだまだやれる
なんて態度が見え隠れするイタさ

これを俺に勧めた知人のセンスを
疑ってしまう結果になったことが
この作品の最大の罠であり
そのことを罪だと言った途端に
自分に跳ね返ってくる
という意味では
かろうじて「危うい」作品には
なりえているんじゃなかろうか
なんて思ってもみたり・・・

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要するに どうでもいいです(笑)

大して演技も出来ない女優を
出来ないなりの役柄で使えば
それなりに見栄えもするし
大きなケガもしなくて済む
さらに優しくオブラートで包むように
周りをそれなりの実力派で固め
ちんたらちんたらそれなりに進めば
それなりのゴールも見えるだろうし
おじいちゃん精一杯のセンスで
井上陽水持ってきて
ずうっとアンドロイドだった女優に
最後の最後 鼻をいじらせて品を落下させ
見る側をさらに安心させてしまう
親切設計ご苦労様でした

てな 感じですかね

とかなんとか
よくここまで
意地悪い言葉並べられるな と
我ながらイヤな奴です私って

ま いーや
チャッチャと済ましちまいましょう

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冒頭のロードバイク登場
わざわざ家の中から出して
時間かけて道まで出て
結局あれ以降一度も
あの走りであるとか
メカであるとか登場せず
ちょっとは自転車絡みの何かがあると
期待したんですけどねぇ

その後の朝食シーンも
決して悪くなんかない
味噌汁の湯気具合を前に
シャワー浴びたばっかなのだろう
バスタオル首にかけたまま
2人分のお椀をテーブルへ運び
シンプルにホッケをメインにし
広くはないテーブルを
メニューで埋め尽くさない加減で
朝食をスタンバイする
ただそれだけの画作りが
海斗(池松壮亮)のキャラをも立たせてて
映画的合理性にもかなってるし
呼ばないとギリギリまで降りてこない
彼女(佐津川愛美)
ゴスロリ衣装とデカい目覚まし時計も
インパクトは決して小さくなんかない

小夜子(常盤貴子)と夫(勝村政信)
いきなり白昼に繰り広げる不倫ごっこだって
つまらなくなんかない

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なのに
この後 それらの連鎖反応となって
エモーショナルな動きを生成するはずの
シーン自体とそれらへのつながりが
歪と言うか 希薄と言おうか
せっかく上昇し始めてた熱量が
どこかで一旦リセットされたみたいな
不必要な冷静さを伴っているテンション
と言えばいいのか
日替わりで監督が交代していて
また元に戻ってるようなチグハグさのような
なんだか形容しようのない凸凹な空気感が
見る側を非常に居心地悪くさせているのではないか
という感覚に陥らせている・・・ような・・・
もっと言うなら
いくらでも面白く転がせそうな題材を
作り手側の勝手なリミッターによって
上限を低く設定してしまってる・・みたいな・・
もっともっと言うと
映画的にもっと機能しうるはずの題材の無駄遣い
あ これかもしんない

つまり行き着く先は 才能の欠如 かな と

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持久力が足りてないというか
経験則に頼りすぎっていうか
突き放し方(残酷性)に無自覚なのか

つかみだけで その後ののびしろが
まったくもって発展しない
というのはやはり
ここら辺に原因があるんではなかろうかと

バラバラに配された点たちが
強いつながりを持てないまま
線になる寸前で
映画が終わってしまっているという事態

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セキュリティーシステムでは防げない
内部からの腐食をご丁寧にセリフで語らせ
あろうことかその腐り描写がいかなるものか
暗中模索で手間取っているという演出の腐食具合

二階から木琴の音色が響く家屋を
一度たりとも
映画的に活かすことができなかったのは
小夜子の内面にポッカリ空いたと想定する空洞を
具現化し損ねたからではなく
内面にニキビのように増え始めた気泡を
1つ1つ取り除く作業とはいかなるものかを
ついに発見できなかったからでもなく
未だに内面なるものを
本気で信じ切っている無様さ故なのか
手垢のついた心理劇をSFとして語る
最低限の意匠さえ持ち合わせていない
貧しさに起因するのかとも思ったが
どうやらそれだけでもないようだし
どこでいつ覚えたのやら
うんざりする何度かの時制の引き戻し作業によって
せっかくの数少ないいい流れを
停滞させてしまっていることにも気づかない上
その小手先感が
部屋を覆い尽くす
「家族ゲーム」的ヘリコプター音と
電車内で並んでスマホを弄る乗客に混じって
位牌を取り出すおばちゃんの登場などという
愚劣極まりないアイデア先行型ネタ帳まつり
と化す結果を招き
「不自然」を野生のまま世間へ放り出す気概もなく
かといって
「不自然」をあらぬ方向へ
修正できぬ程に傾斜させたまま
ラストまで突っ切る狂ったフリなど
出来るはずもない芸のない演出ぶりのせいで
こちらは地獄のような退屈まみれに
晒されることになるという
これをホラーと称すのなら
そんなもの糞食らえだ
と言っておきたい気持ちですハイすんませんホンマ

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説明ゼリフが本当に必要だと感じるのなら
徹頭徹尾 人間以外の言葉の羅列
というフィクションへ身を預け
全編解説漬けにしてくれればいいものを
倒れそうになった時だけ都合よく配する
素人顔負けの屈託のなさ
画面に徒歩1分のバーが映り
その後 メゾネット物件の並びが
出てきてるにもかかわらず
独白で海斗のセリフを小夜子がなぞり
彼女の夫は
ゴミ置場から袋1つを取り出して
「うちのじゃない」と背後霊に語りかけ
ノブにかけられた真っ白ゴスロリ衣装見て
「なんだあれ」と 海斗までもが
「あれ」という無機物からの返答を求める
いっそのこと出演者全員を
キチガイ沙汰ワールドの住人にするならするで
思い切ってそっちへ振れてくれればいいのに
いったい何がしたいのか
ヒューモアのセンスが限りなくゼロに近いのか
単にボケてるだけなのか
映画でなくたっていいという態度
にしか見えない致命的失意の連なり

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その決定打となる
ソファーに夫婦仲良く並んで
打ち合いするメールシーンの
突き詰め方の欠如たるや
もはや尋常ではなく
なぜこれほどまでに
映画的に広がる可能性を秘めた時間を
ここまで凡庸極まりない動きと画角で
済ませられてしまうのか
もぉこちらとすれば
判断停止状態である

たった一工夫あるだけで
映画が自ら羽ばたき始めるという法則は
すでに世界から消え去ったのか?

この夫婦を
1階のリビングと2階の部屋であるとか
玄関ドアを挟んでの内と外であるとか
同じ家屋でありながら
果てしない距離を感じさせてしまう空間を
お膳立てした上で
メールをやり取りさせるという発想は
微塵もないのだろうか?

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「ザ・プレイヤー」
夜間 ガラス張りで
明かりを灯した内部が丸見えの一軒家の中
固定電話で話す女と
外側からその彼女の姿を追いつつ
繋がった携帯を手にするティム・ロビンス
携帯電話が今ほど普及していなかった92年
すでにこれほどまでに
艶かしいセッティングをしていた
アルトマンの貢献は
ここでは少しも活かされていないと
言わざるを得ない

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いやはや
かなりキツいことを
ビシバシ言ってしまったけど
本当のことだから仕方ないです
(これがキツいって言ってんのね
スンマヘン)

しかし
佐津川愛美は安定してきたねぇ
見ててなんら不安感がない
この人になら任せられるって感じ
頼もしいです

20160916-085343

河井青葉も相変わらず
肝が据わってらっしゃる
いつでも脱ぎますよ
って顔してるもん

・・・そんなとこかな

いろいろ失礼いたしました

 

20160916-084753

 

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