後妻業の女

2016/08/31 布施ラインシネマ
5/10

決して悪くなんかないんですけど
なんかねぇ
ここで言われてるお話自体が
今ひとつピンと来ないというか

結局最後まで
「この際お金なんてどうでもいいです」
って言ってのけ それを行動に移した人
誰一人いないわけじゃないですか
それはそれでいいんですよ
現実に則した真っ当な展開です

だったら
だとするなら

私の意見とすれば
大竹しのぶ豊川悦司
そんなに悪人に思えないわけです
結果的に殺人をやっちゃってるというのは
ここではとりえず横に置いときましょう

となると

自分のお仕事(お金儲け)を
プロの手口でやり遂げました
っていうある種の清々しささえ
感じるんですけど・・・

20160901-220908

やはりこうなると
一番の引っかかりは
「人殺し」をやってしまってる
ということになるんだけど

これ 現実にあった幾つかの事件を
ベースにしているとはいえ
フィクションですよね?

現実の事件で
殺しが行われていたかどうかは関係なく
あえてこの作品内では
直接手を下すことなく死ぬように仕向けるとか
あるいは
注射器の中身を
空気だけにするという描写があったように
完全犯罪に近いやり方を続けるだとか
いくらなんでも
崖から車ごと伊武雅刀を落とすなんて
能のない露骨なやり方だけは
避けるべきだったんじゃないか
そんな風に思うわけです

20160901-220545

一番いいのは
辛抱強く死ぬのを待つ
という「知性」ですよね
待ちきれなくてこっちから殺っちゃう
というのは大阪人らしいと言えばそうだけど
映画的に面白いかと考えると
かなり疑問符も浮かびます

そうそう
大阪の話だったんでビックリしちゃいました
原作知らなかったし
いきなり右も左も大阪ですって
遊覧船出てきたんで
嬉しいやら戸惑うやら

でも相変わらずみなさん
大阪弁下手ですねぇ(笑)
気になるのは関西人だけなんで
毎度気にしないよう努力はしてるんですが
大阪弁から標準語に突然変わっちゃったり
その逆もね
こういうのに目くじら立ててると
大阪舞台の映画どんどん減っちゃいそうなんで
黙ってる方がいいんでしょうけど
それにしても・・・

ま そういうのは
いいってことにしときましょう

640-19

話を戻すとですね

待ちきれなくて相手を殺すなら殺すで
殺される相手も納得してしまうような
手さばきを魅せてもらいたいなぁ と
こういうの
無理な注文っていうんですかね?

恐らく原作からして
そういうことに気を遣ってないんだと
思うんですね
ズバリ直感で言いますけど
この原作 恐らく駄作ですわ
それにほぼ忠実に乗っかってるもんだから
映画も天井にぶち当たっちゃってる
というのが真相なんだと思う

ピカレスクになりきれてないんですよ

どこかで変に正義なんてものを信じちゃってる

こんなの面白いわけないです

全員が悪党で加害者で被害者
いつ何時 反転してもおかしくない世界
この辺の詰めが非常に甘っちょろい

20160901-220659

後妻業って怖いなぁ
こんなのに引っかからないようにしなきゃ
とか
うちの爺ちゃんがこの前連れてきた女
あれもしかしたら・・・
なんていう想像は駆り立てられても

私も後妻業 やってみたいなぁ
とか
後妻業のプロデュース 面白そうだな
と思うまでは届かなかった作品と言えば
少しは分かって頂けますでしょうか?

20160901-220611

だから殺人の「方法」が重要になるわけです

決してサツになど証拠を掴まれない殺し方

ましてや永瀬正敏みたいなヘボ探偵に
あんな簡単に尻尾を掴まれるなんて
見ててイライラしてきます

私どうにも永瀬くんを評価できないのねぇ
「あん」「隠し剣 鬼の爪」の彼は
見事にハマってたんだけど
最近で言えば「64 ロクヨン」とかさぁ
木偶の坊にしか見えないわけです
ファンの方々スンマセンほんま
必要以上の真面目さが滲み出ちゃってるのね
だからどうしても
彼が金を独り占めしようとする設定にノレないし
正義感がチラついてノイズになってる

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脚本がなかなかよく
キャラたちのバランス配分が考えられた
プロのお仕事になってるし
画面作りも申し分ない仕上がりになってて
大物男優4人を被害者に仕立てて
すぐにハケさせる贅沢な使い方も潔いし
段取りとすりゃ文句言えないセッティング
の筈なんだけど

どうも私としては
演出が弱い と感じる部分が多々あり です

一番残念に思うのは
柄本明泉谷しげる
キャスティングしてしまってる「つまらなさ」
ほんと絶望感しかないわ
あぁーまたかぁ〜 っていう定番な無念
なんでああいう役にはこういう役者
っていう概念が少しも剥がれないのか?
元府警の刑事だから知る
いかがわしい獣医があの人じゃ
あまりに当たり前すぎて
ズッコケそうになりますよ

「冷たい熱帯魚」
でんでん的なものを見せろや
なんて贅沢は言いませんが
せめて女性にするとかさ
ここはかなり遊んでいいパートじゃないですか
もっとハッチャケましょうよ監督
女性って言っても
余貴美子みたいな頼もしい人はダメね
卵もろくに割れなさそうな
アイドル的高校生なんて
いいんじゃないでしょうか?
銃弾痕を見た途端 目の色が変わって
ブラック・ジャック顔負けの素早い動作で
あっという間に処置を施してしまうなんて
ちょっと素敵でしょ?
麻酔ナシなんで暴れ出す永瀬くんに
強烈なビンタ攻撃数発!
なんてサービスショットは
言うまでもないことです

ぜひ次回はご検討ください

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あと
オーバー気味の演技も気になった
尾野真千子って
あんなに目で演技する人でしたっけ?
もともと気の強そうな顔してらっしゃるのに
そこへ持ってきてあんな顔芸されたんじゃ
デコレーションの上塗りです
大竹しのぶとの焼肉屋での取っ組み合いも
見てらんないほど中途半端だし
よくもあんなんがOKテイクになったもんだと
逆におもしろかったです ごちそうさま

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風間俊介の叫んでるだけの役もキツいわぁ
もっと他のキャラ設定出来なかったのかしら
確実に病院送りの精神状態持続中だからね
コメディー寄りということで
ああいう風になったのもわかるんだけど
逆に画面が失速してしまってるってこと
分かっておられるのでしょうか?
真千子ちゃん然り 風間くん然り
大竹しのぶへの暴力が足りなさすぎる
いつまで経っても大女優のままじゃん彼女
大人の事情見に来てるわけじゃないですよ私たち

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樋井明日香
ちゃんと脱いでくれてんのは嬉しいんだけど
いるのかあの濡れ場!?
なんかお約束みたいだし
そういう感じでしか撮られてないし
役者さんがちょっとかわいそう
カメラがいいだけに余計にそう思っちゃうのね

20160901-220256

絞殺されたかに見えた大竹しのぶが
スーツケースの中で蘇生するくだり

これ きっと生き返るだろうなぁ
って予測してた人
けっこういると思いますよ
だって しつこいくらい
大竹さんの死に顔 何度も映すんだもん
あんだけクドイとダメよ
トランクへ入れ込もうとしてると
パトカーがやってきて・・・
なんて長々やってんじゃねぇよ
ほんと無駄な描写が多い
あそこまで引っ張って
大竹さん死んだままだったら
ただの蛇足になっちゃうわけなんだから
彼女が生き返るの ミエミエなんですよ

20160901-220720

こんなカッタルイことやってっから
2時間オーバーしちゃうのね

序盤 ナレーションあんだけ入れまくって
心の声まで遠慮なく突っ込んで
テロップもお構いなし
でも 良かったんですよあれで
あの疾走感で最後まで突き抜けてくれてたら
100分あれば十分

そこんとこを上層部から突かれたのか
真千子ちゃんと長瀬くんが車から降りて
仕上げのセリフを喋るその途中から
エンドロールが上がり始めます

この何かに急かされてるような終わり方
ここまでグヂグヂ言ってきた文句が
吹き飛んでしまうくらい 実にいい!

まぁでも この中身で128分
「シン・ゴジラ」でさえ119分
ってこと考えるなら
同じ東宝さん 文句も言いたくなるでしょうよ

 

20160901-220529

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