クリーピー 偽りの隣人

2016/06/23 あべのアポロシネマ
8/10

「結構な賛否真っ二つ状態ですね」

「みたいだね」

「やはり真っ先に
皆さんご指摘してらっしゃるのが
ツッコミどころでしょうか」

「うん なのかなぁ」

「原作と全然違う
とかっていう意見も多いですよ」

「だって違うんだから仕方ないよね」

「大好きなコミックの根幹を
踏みにじられたみたいな
感覚なんでしょうか」

「いっつも同じこと言ってるね
そういう人って
あなた 原作は読んでるの?」

「いいえ 全く」

「で どうだったの?
あなた的には」

「んー・・・やはり
それほど優れた作品には思えないかと」

「どういった点で?
ツッコミどころについていけない?」

「それはやっぱりまずありますよねぇ」

「じゃあさ
この作品 仮に
原作通り忠実に再現されてたら
おいおい ってなる箇所
ここまで指摘されなかったと思うのね
俺も実は小説の方読んでないんで
予測でしか喋れないんだけど
もし前川裕の書いた通りにやってたら
つまり
破綻の少ない方法を選択してたら
許せてたのかな?」

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「それはどうなんだろ
実際読んでないわけだし
元がどれほど優れてるのか
判断しかねるわけだから」

「じゃさ 原作通りというのは
ひとまず置いといて
整合性って言ったらいいのかな
真っ当な ていう言い方かも知んないけど
よく練られた辻褄のちゃんと合う
物語であり人物であり動きであれば
満足できたのかって
質問に変えたいんだけど
その辺どうよ?」

「今思ってるよりは
満足できたかもしれないかな と」

「なんで?」

「なんで??」

「ん なんでそう思うの?」

「なんでって 言われても
おかしな映画というか
引っかかり部分が少ない方が
物語へ入っていけるし
より怖く感じたかなぁ
ていうか
あなたはどうなのよ?」

「ムチャクチャ面白かった方の人だよ俺は」

「どんなところが?」

「それだよ
それをうまく喋りたいから
先にあなたにいろいろ聞いてるわけさ
ちょっと大袈裟かもしれないけど
この映画とどう向き合ったか
っていう態度の相違を
はっきりさせたいわけ」

「あらららまぁ〜
そんな向こうの方まで
行っちゃってたんだアンタ」

「あんたが思うようなとこまでは
飛んでないと思うけどね
ツッコメる箇所って例えば
刑事が1人のこのこ現場へ出向くなとか
そういうことだろ?」

「あぁそれは大いにあるね
だって現実にああいうのありえないから
それに野上(東出昌大)だけど
彼1人が勤務時間内に日野市の事件に
首を突っ込んでるっていうのも
原作はどうなのか知らないけど
ちゃんと説明されてないんで
違和感はあった
あと その彼が殺されてんのに
警察の動きに
なんだか覇気が感じられない
っていうね
これは「ヒメアノール」の時にも思ったけど
警察関係者が殺られたら
もっと躍起になって当然なのに
そうでもないっていう
あとは 康子(竹内結子)
心の移り変わりみたいなものが
高倉(西島秀俊)との亀裂の入った関係性
の描写が不足してるんで
説得力に乏しいと思うし」

「西野(香川照之)に心奪われていく
過程のことだね」

「そう 後はといえば
谷本(笹野高史)
ただの能無しにしか見えないんで
扱いが雑だなぁと」

「確かにありゃひどいボンクラ刑事だ」

「でしょ?
普通あんな見事に
落とし穴に引っかからないよね?」

「落とし穴じゃないよあれは」

「じゃないけど
あれは間抜けすぎる
あんなバカが現役でやってるから
未解決事件があとを絶たないんだよ」

「いいこと言うねぇ
それについては俺も後で
話したいと思ってることがある
他にない? ツッコミたいところ」

「んー ざっとすぐ思いつくとこって
これくらいかなぁ・・・

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「澪(藤野涼子)はなんで逃げないんだ
とか」

「あれはでも すぐお隣が
母の介護で手一杯の
関わりゴメンおばさんだし
父の殺害に一役買っちゃってるのも
何となく分かるし
自分でも手を下した手前
逃げたって共犯者のままだし
じゃなくたって結局行く所ないだろうし
だったらあのまま西野と暮らすしか
選択肢がないだろうし
もともと親子関係がスムーズじゃなかった
っていうか むしろ
思春期の多感な時期で
両親ともブッ殺してやりたい
って思ってたそのタイミングに
西野が現れて代わりにやってしまったんで
何もそこまですることなかったのに的な
後悔だけの自暴自棄感が
あの変なセットの助けもあって
妙に納得させられたのね」

「ストックホルム・・・」

「症候群とはまた別種のものを
感じたんだけど
高倉に「あの人 お父さんじゃありません」
て助けを求めたのも
このまま出口のないまま
ずっと生き続けるしかないのかっていう絶望から
この人なら何とか救い出してくれるかもしれない
っていう直感だと思うのよ
高倉が大学で仕事してるっていうの
西野から聞かされてるはずだし
最後の頼みの綱かもしれない っていうさ」

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「セットの話が出たけど
西野家のあの外観と鉄扉の向こうの内装は
どう考えても不釣り合いだ
っていう意見もあるけど」

「確かに不自然ではありますね」

「あからさまな「悪魔のいけにえ」だからね
ちょっと吹きそうになった」

「そういう風に
好きな映画のエッセンスぶっ込んで
ニヤついてるのって
どうかと思いますけどね
シネフィルがどうとかこうとか
また批判されますよ」

「いや あからさまとはいえ
結果的に仕方なく
そうなってしまったんだと
俺は解釈してるんだけど」

「というと?」

「この映画さ 何もかもが
まぁ今までもそうだったんだけど
黒沢清の脳内を
そのまんまスクリーンに投影しようという
試みの一環なんだよ」

「・・・普通 映画って
多かれ少なかれそういうものじゃないの?
特に作家っていうレッテル貼られたりしてる
黒沢監督なんか特に」

「あぁ ちょっと言い方しくじったな
原作をプロファイリングした後の脳を
ありのまま映しだそうとした結果
って言えばいいのかな
「羊たちの沈黙」で言うと
クラリスの使う古くさい統計学的方法じゃなく
レクターがやる深層心理をえぐるヤツね
あれを原作そのものに向かってやることで
ある部分をそぎ落とし
何ものかを貼り付けたりするわけ
黒沢流脚色術
自分が西野に成り切った場合
ここはこうなるだろうと
ということは ここはいらなくなると
ここがいらないということは
ここはこう変換されると
ここがここまで変わるということは
これを貼り付けることで
より西野そのものに近づけると
例えば西野という人物を例にとった場合
こういうことなんですけど」

「何言ってんだか全然わかりません」

「そぎ落としたり貼り付けたりするのは
面白くするための作業じゃないってこと
単に削ぎ落とされ 貼り付けられたってこと」

「・・・ますますワケわかりません」

「さっきも出てきた
あの谷本っていう刑事のキャラ設定
何もかも分かったような顔して
結局のところ事件に関して
何ひとつ理解できていなかったっていう
ああいうのをあえて出してきた意味
つまりさ
典型的な叩き上げという出で立ちな彼
過去に立ち会った事件の内実にもとづいて
今目の前の事件を紐解こうっていう
経験則でしか判断できないワケよ
それまではそれでなんとかやってこれたけど
今回はそうはいかなかった
なぜか?
運が良かっただけの話なんだよ
偶然にも自身の経験値が役立って解決されてた
過去のものとはまったく異質の西野の行動
従来型の統計だけを基にしたプロファイリングでは
到底太刀打ちできないワケです
そんな浅はかな脳のまま
単独で西野家に侵入するなんて
自殺行為なわけですよ
実際ありえない穴落ちしたすぐ後に
注射打たれて万事休す
あなたが言うように
未解決事件が減らないのは
こういう奴がこういう難しい問題を解こうと
平気で現場にのさばってるからです
かといって
高倉はどうなんだって話ですけど
彼とて五十歩百歩
結局はこれまでの例を基に
事後的に真相を振り返ることしか出来ていない
谷本より事例を多く知識として持っている
というだけの相対的優位のみです
ここまではどう?
わかってくれてます?」

「まぁ なんとなくは」

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「で ここで黒沢監督の登場
彼がプロファイリングする相手は
出来上がっている原作そのもの
出来得る限り自身の経験則から距離を置き
限りなく自我を葬った場所から
何度も読み込んでみると
おそらく様々なポイントに
引っかかって行ったと思う
何より 整合性を獲得するために
仕方なく犠牲になっていったもの
映画にする際 採用するかはともかく
それを復活させる作業が先決
それは
物語を破綻から救っていたものが
何だったのかを突き止めること
そうやって一旦リセットした状態から
構築し直したと思うんだよ
そのおかげで
原作のままのキャラもあるだろうし
真逆に生まれ変わった者もいるんだと思う
あえて説明を省いた箇所もあるだろうし
元々なかったシチュエーションが
無造作に貼り付けられたりしてるかもしれない
ただ
それらは どれもこれも
「映画」として生まれ変わるための
単に「作業」なんですよ」

「言い方悪いけど
原作を利用して
全く違うものを1本作ってみた みたいな?」

「結果的にそうなってても致し方ない
としか 俺には言いようがない
それもこれも
なぜわざわざ映画にするんだ
という一点に向けてのことだと思う」

「あなたがよく口にする
なぜ映画でなければならないのか
ってことね」

「その通り
ぶっちゃけさ
いろいろツッコミどころ指摘して
悦に入ってる人いるけど
そんなこと何万㎞も前から
監督本人は解ってることだからね
一体いつから監督業やってると思ってんだって
逆にツッコミ入りますよ
それをあえてさ
原作が丁寧に築いたもの崩してまでして
本番に採り入れた意味を考察することの方が
生産的 なんていうより
単純に面白いと思うんだけどね
ツッコむ前に冷静に考えてみなってことよ」

「それはそうかもしれないけど
やっぱりツッコミどころって
なければそれに越したことは
ないんじゃないのって思っちゃうけど」

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「これは俺の持論だけど
ツッコまなきゃダメな映画と
そうじゃない映画があると思うのね
この展開やキャラはおかしいあり得ないぞ
で 片付けられるものと そうでないもの
勧善懲悪が不可能になった
昨今のヒーロー映画
マーベルやDCだけど
あれらにツッコミどころがあってはダメなの
ストーリーそのものが
重〜いテーマと密接に結びついちゃってるから
破綻厳禁なわけよ
やってることおかしけりゃ
あとは興醒めしか残されてないわけ
俺からすると
大半はその罠にかかってしまってんだけど
で それとは違うのが
今作なんかになるんだけど
ツッコむんじゃなしに
なぜそういう風な歪なフォルムを
あえて選んだんだ ってことね
そうなるためにはツッコミ以外のところが
よほどしっかりと
作り込まれてないとダメなわけ
今回なら一目瞭然
色調といい動きといいアングルといい
カメラワークだけで
そういう作品なんだってわかっちゃうわけ
大袈裟でもなんでもなく
世界レベルってこのことですよ
まったく ぐうの音も出ない
ストーリー性優先でしか
映画を見れない輩には理解できない
とてつもない高度な技術的達成の応酬です
もぉ我慢できないから言っちゃうけど
ゴダールカロリーヌ・シャンプティエ
の関係性ですよ
黒沢監督芹澤明子って」

「言っちゃったぁー」

「うるせぇ 謝るよ
ごめんクサイおなら臭い」

「よけい反感買うよ」

「スンマセン」

「まぁなんとなく
分からないでもないかな
ゴダールの映画なんて
ツッコミどころだけで出来てるもんね
あれにいちいち物言いしてたら
こっちの身が持たないわ」

「簡単に言やぁそういうこと
だからって こういう映画体験を
推奨する気も毛頭ないから
そこは誤解しないで欲しいんだけど」

「俺は俺 あんたはあんた ってこと?」

「でも構わないと思うし
細分化と棲み分けを
もっと大掛かりに大胆にやっていっていい
と思ってるから俺的には」

「月9組と ゴダール組と?」

「いやいや もっともっとだよ
これ以上分別できないくらいまで
いろんな部屋があっていいんだから
俺だって面白いテレビドラマ当然あるし
くだらないシネフィル系は真っ平だし」

「うん まぁ大体言いたいこと
分かってきたんだけど
まったく映画の中身に入ってってないんで
ここいらでその辺のことを聞きたいんだけど
まず冒頭のシーンね
松岡(馬場徹)と高倉が対峙してるアレ
私は素晴らしいと思ったんだけど」

「どういう点が?」

「だってさ
松岡がちょっと私らとは違うなっていうの
一瞬で判らせてくれるから
みるみるスリリングさを増すじゃない
さすが「CURE」の監督だって思いましたよ」

「かと思うと松岡
また普通っぽく振る舞うから
よけいに不気味なんだよね」

「そうそう そのあたりが
萩原聖人ともちょっと違うな
って気がした」

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「まさに今回の目玉ってそこだと思うのよ
あっち側に行ったと思ったらこっちに来てて
みたいな変幻自在の振れ具合
どこに着地しようとしてるのか
本人にさえ分からない怖さ
これって「ヒメアノール」
中盤以降まで持ってた怖さと通じるのね
なのに 「イジメ」っていう整合性を
ご丁寧に提示してきたもんだから
アチラさんは一気に振れ幅がなくなっちゃって
退屈な代物に落ち着いちゃった
あっちの場合は
「ズレ具合」という言い方してたんだけど
今作はあくまで「振れ具合」
ここに決定的な差異が生じる
イジメだけの因果律で説明がつくものではない
という言い訳が効かないほど
あっちはその具体描写が凡庸だったから
こっちも歩み寄る術を失ってしまうわけ
「クリーピー」は最後まで
そんな落とし穴には決して引っ掛からなかった
そこだけすくい取っても凄いのよ」

「はぁ」

「なんでこういう振れ幅が
立ち現れるかっていうと
監督の自我で操作してるものではない
というコンセプトで作り直された証に
他ならないからなんですよ
コントロールするのは黒沢ではなく
西野であり高倉でなければならない という
超=自我 と言っていいかもしれない
どこに帰着するのか誰にも判らないという実験
それが「クリーピー」なんだと思う」

「出たぁ 実験(笑)」

「そう 映画って常に
実験でなければならないと思う
予測通りの結果にしかならない
と判ってて作るのって
それは単なる確認作業
実験ていうのは
思いもよらぬ化学反応があって初めて
事後的にそれが「実験」であったと
気づく行為
多分だけど たいして演者さんたちに
細かな指示はしてないと思うのね
こんな感じでやってくださいとか
物凄い量ののりしろを残したまま
演者たちの元から立ち去ることで
「自分自身でモノを考えさせる
ように仕向ける演出術」
が完成するわけです
役者陣にとっては
これほどスリリングなこともないわけですよ
と共に これほど面白い現場も滅多にない
同時に 絶大な信頼を勝ち得ているという
共犯関係さえ生み落とす
ここに選ばれていることの栄誉
もうやるしかないっしょ
その期待に全員が見事に応えているという事実
松岡の振れ具合を目の当たりにし
躊躇ないフォークが高倉の背中を突き刺した瞬間
この映画の産声が聞こえた気がした」

「何が起こってるのか整理しようとする
こっちの半歩先を行く見事なプロローグでした」

「だよね
この理由のない振れ具合によって
発進するということはつまり・・・
ってことも示唆してくれてる
あと ちょっとニヤッとしてしまったのが
あの時 野上が
ロッカーから拳銃を取り出すカットを
親切に入れ込んでるってこと
日本の刑事って
常に銃を携帯してるわけじゃないから
ってことも踏まえ
彼が楽々と自分の武器を自由に持ち出せる
ってことにもなるし
さらっと流される横流しの件や
結局単独で西野を訪ねた際に
ちゃっかり奪われてしまってる
というところにまで
あのワンカットが活きてるってことね」

「彼が西野の家に入って
懐中電灯でできるレンズフレアが
素晴らしい効果をあげてました」

「ありゃもはやフレアでもなんでもない
あそこまで行きゃ
装った大胆な特殊視覚効果ですな
それも彼から滲み出てる空気と相まって
理にかなってるんだけど
彼自身のその佇まいってどうよ?
とてもじゃないけど
真っ当な刑事には見えないんだけど」

「怖くなかった?」

「怖いよあのボォーとした表情
いつ寄生獣に変身するのかって
ビクビクしたぜ」

「だよね
私たちがイメージする刑事からは
ちょっとかけ離れてる」

「だからそういうところからして
何かが歪んでるってこと
観る側が気づかなきゃダメだと思うの
あの不気味さ ただ事じゃないですよ
なぜに彼をキャスティングしたのか?
日野市の失踪事件に
なんらかの形で関わっていたのではないかと
こっちに勘繰らせる為だと思うんですよ
そういう振れ方もあるのだよ
という一種 映画からの警告ですね」

「ほぉー そういう見方で来ますかぁ」

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「でないと
彼をキャスティングしてる意味が
ないのではないか という
こちらの推測をどんどんぶつけていくことで
映画がより豊かになっていくわけです
康子の事にしてもそう
西野にあんなにも簡単に
たぶらかされてることに
違和感を覚える人って少なくないと思うけど
よぉーく振り返ってみると
決して不自然ではないのね
犯罪心理学オタクである夫が
現場で格闘したりする刑事に
不向きな人種であることは
彼女は重重わかっていて
そんなことは起きないだろうと
高を括ってた矢先だったのであろう
署内での松岡との事件
あれを機に警察を辞めると夫婦で話し合い
リセットする為に引っ越してきた新居
犯罪学から抜け出せない夫に歩み寄り
大学で講義することだけならと
表向きは許しつつ
子供を作る機会を
永遠に失ったかのような空虚な土地で
それまでの知人たちとも絶縁し
決して明るくはないキッチンで
フライパンを振りつつ夫の帰りを待つ
彼女の作られた笑顔と仕草
「おいしい」と口に出すことだけが
取り柄の夫の言葉たちは
次々と目の前で表層を滑り
やがては無駄に堕ちてゆくも
あるポイントを見ずにおくことで
毎夜をやり過ごす術を身につけるのだが
その化けの皮をはがすように
小津的な正面バストショットを形作ることにより
そのフレーム内から
「竹内結子」の逃げ場を塞いでしまう
冷徹な残酷性によって
観客側に答を委ねる仕組みですよあれは

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二の腕を軽く人差し指で突っつくだけで
ゆらゆらとバランスを崩してしまう
もろすぎる殻でしかなかったシールドを
たったワンカットで提示出来てしまう凄みよ
なんとしてでも人間の温もりを
夫の身体から探り当てたいと
日々願う彼女の眼前へ
息がかかるくらい顔を近づけられ
夫と自分を大っぴらに比較してくる西野の
これまで出くわしたことのない不穏さと
胸が締め付けられる期待感

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トンネル手前で
真っ黒に変貌した彼にきつく掴まれる手首
放して欲しい けど 欲しくない
どちらへ振られるのか本人にも定かではない
異常な空間に足を突っ込んでしまった恐怖と
またもや胸が高鳴る
経験値を超えたエクスタシー
女子高生のように席を外し
階段で電話するあの姿から
「洗脳」という言葉を想起しない人は
いないと思う
ほぼ手遅れなんですよ ああなっちゃうと
おまけに不可解な注射まで
何本も打たれてしまっている
「もうとっくに色んなこと諦めちゃったのよ」
という言葉を待つまでもなく
康子の身体は西野の側へ もぉとっくに
振れてしまってるんです」

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「なかなかのプロファイリングですね」

「いやこういうのはそう呼ばないよ
ちゃんと映画の中に
明確なヒントが提示されてるわけだから」

「気味悪いというか 気色悪いというか
ありとあらゆる西野の様子が
脳内でプレイバックされてきたんだけど
やっぱ凄いですよね香川照之って」

「彼がコケたら皆コケる映画だからね
それ考えるといかに存在が大きいかが分かる
オーバーアクションだとか言う人いるけど
あえて だからね
そんなこと言われなくたってわかってる
って話だよ
ツッコミどころをあえていじらずに
置いている演出と同じこと
CG使わずに実写のみでCGに挑戦した
世界でも数少ない映画です」

「えぇ!? というと つまり・・・」

「そうだよ おの顔見てみろよ
青蛙そのままじゃんか」

千と千尋に出てたやつ?」

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「あぁ 凄いことだよこれって
あと「寄生獣」にも似てたの出てたな」

 

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「本人の前でそれ言ってあげたら?」

「きっと喜んでくれるよ
だって 狙い通りなんだから」

「んーそうかもね
実際モデルにしてる人誰ですか
って聞いたら
実は人間じゃありません
って答えられそうなほど
突き抜け感ハンパないもんね」

「あの造形力はスゲぇーよ
あの顔と体型が素足に黒い靴履いて
裾の短いズポンと半パンで
パントマイム的に
ちょこまか空間移動してるの見てると
こいつよっぽどのヘマしない限り捕まらないな
って妙に納得してしまう」

「犬に怯える白々しさが過剰に演劇的で
あそこもパントマイム臭入ってたよね
みんな大好きジョーカー的というか」

「どうしても言っておきたいのは
防音ルームにいる高倉が見せられる
西野と康子の寸劇ね
それではご覧いただきましょう
康子さんは渡した銃を
どうしちゃうでしょうか
みたいに始まるやつ
部屋を出たすぐの段差でやられるんで
舞台化しちまってるわけ
これは我慢できずに吹いちゃった
なんせ西野は
パントマイム的衣装のまんまですから
バッチリ画になるわけです」

「はいはいあそこね
終わると幕が閉じるみたいに
鉄の扉をガシャン!と閉めちゃってね
まるで簡易ボードビルでした」

20160624-101511

「犬を結局最後まで生かしたという
映画的選択も秀逸だと思った
犬小屋から消えた早い段階で
殺されたと思わせといて
康子が捜し回ってると
なんと公園で西野と仲良くしてるっていうさ」

「それもあの犬
西野の方へ向いてじっとしてるのよね
安心したのもあって笑っちゃったわあそこ」

「あの辺のズラせ感覚
「ヴィジット」的と言えるかも」

「え? どういう部分が?」

「例えば姉がオーブンに体ごと突っ込んで
結局何事も起こらなかったシーンとかさ」

「あーそういうことね」

「とにかく
いつ どういう風に どんだけ
どの方向へ振れてくるのか
皆目見当がつかない
犬を口では好きだと言いつつ
苦手意識全開のパントマイムをするし
仲良く歩み寄ってきた感のあった
康子のことを
高倉の帰りを待ち伏せて
一転した苦々しさで罵ったかと思えば
澪と高倉家へお邪魔して
ニコニコと料理を頂いている
多重人格ではない分
よけいに掴みどころがなく
取り留めなどあろうはずもない」

「なんで 今 お前 そこにいるのよ
という怖さは尋常じゃなかった
バカのフリして
巧みにこっちの心理をコントロールしてくる感じ」

「異常者が異常者のフリをしてくる怖さ
かもしれない
何より恐ろしいのは
ある事にだけは執拗にこだわっていること」

「それ あれだよね」

「そう あれだよ」

「建物の並び具合ね」

「あそこは本当ゾッとした」

「高倉が電話で
けっこう軽く言ってのけるんでよけいにね
おいおい そんな落ち着いてられる事実かよって」

「ただそれによって 彼が紛れもなく
元刑事であったことの証明にもなってる
ってことだね」

「まさしく」

「ていうか
ちょっと長すぎないかこの会話
もぉそろそろいいんじゃね?」

「いやいやいやいや
まったく触れられてない人が
1人いるでしょうに」

「誰? 伊丹十三?」

「出てねぇわ
出すなその名前 禁句だぞそれ」

NOKKOか?」

「やめろ ぶん殴るぞ」

宮本信子か」

「テメエ もぉ我慢ならねぇ」

「怒んな怒んなよ
スウィートホームでひと眠りしたい」

「・・・もぉーダメ お前殺す」

「わかったわかったよ ごめんプー」

「・・・・」

「早紀(川口春奈)ちゃんだね」

「ぶっ殺す」

「いやいや そんな熱くならないで
彼女が住んでる文化住宅の色使いが
とっても自己主張してて
面白かったんだよねごめんなさいスンマセン」

「・・・で?」

「あのシーンね
普段まず康子の前では決して見せないであろう
病的に事件へのめり込む高倉の狂気とは対照的に
システマティックに並んだ洗濯機と赤いポストを
2人を追う横移動と共に見せるっていう方法が
実にユニークでさ」

「んー なんかヤケに白い建物だった
って印象はあるな
事件の捜査を趣味だって告った高倉への
早紀の軽蔑のまなこ
そんなこと常々言われ慣れてるのか
それほど動じない犯罪心理学者
この人 実は西野級にヤバいかも
って思わせてくれる重要なシーンだね」

20160624-101237

「あのポストの赤がきっと
白さを際立たせてるんだよ
まぁここもそうなんだけど
やっぱ白眉は
大学構内での早紀へのインタビューシーンだよ
ここへ持って行きたかったんだろ?」

「もちろんです」

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「まぁあそこは 誰が見ても
素晴らしい構築力だとは思うんだけど
照度の上げ下げについては
あえて言及は避けるね」

「どして??」

「いちいち言わなくても
観りゃ凄いっての分かるから」

「まぁそうだけど」

「それよりさ ガラス向こうで行われてる
生徒たちによるキャンパス劇だよ
あれほどの露骨性があってこその
照度によるコントロール画面だからね」

「といいますと?」

「黒沢清の脳内ポイズンベリーだよあれ」

「・・・???」

「あ 違った インサイド・ヘッドだ」

「言い直してもさっぱりなんですけど」

「彼の脳内映像に見えなかった?」

「・・・なにが?」

「あれが」

「あれってなに?」

「・・・いや 別に共感してもらいたいとか
そんなんじゃないから別にいいけど」

「私にゃなんのことやら・・・」

「うんまぁ
それぞれ各自いろんな見方があっから
俺はそんな風に見えたってことよ
プロファイリング中の監督の脳内は
こんなんじゃなかろうかって画作り
スクリーン・プロセスを使わずして
それをやっちゃうこだわりね
事件とはなんら関係ないって顔した連中が
すぐ向こうで
ウジョウジョ生きまくってるって図ね
もしかしたら実際は
ガラスの向こうにあの生徒たちは
1人も存在していないかもしれない
と疑ってしまうほどの半ば白々しい動きが
延々と展開されてるっていうさ」

「・・・・・・・・」

「いいわもぉ」

「いえいえ
なんとなくだけど・・・」

20160624-101252

「ほんまかぁ?
西野と澪が並んで夕飯食ってる後ろで
高倉がワインを手にじっとこっちを見てる
って画作りもそうなんだよ」

「スクリーン・プロセスもどき?」

「そう 明らかにそうと意識してる」

「CGを使わずに
西野を青蛙として撮るみたいな感じ?」

「なーんだ わかってるじゃんかぁ」

「どこがだよ」

640-17

「もっと言うと
朽ち果てた日野市の家へ高倉と野上がやって来て
早紀がハケた後
2人の後方に見える高架を電車が通過するじゃん
憶えてる?」

「憶えてるもなにも
あの電車がインするタイミング
神懸かり的だったよねぇ
あれもスクリーン・プロセスであるかのように
撮られているのでは ってこと?」

「その通り」

「またなぜにそのような おふざけを?」

「おふざけではない
とも言い切れないかな
つまりさ 少なくともこれらのシーンが
監督の脳内を反映したものであると仮定するなら
観る側の 我々のことだけど
パースペクティブを
ゆっくりと時間をかけて狂わせる役目を担ってる
ってことになる」

「んー わかったようなそうでないような」

「尋常ではない世界観へ
首を突っ込もうとしてるんですよ
っていう これも謂わば警告の部類です」

「いつもの走ってる車内映像は?
毎回スクリーン・プロセス使って
本当にやっちゃってるけど」

「あれは一応事件が明白化した後だから
本物のスクリーン・プロセスでいいと思います」

「本物のスクリーン・プロセスって言い方
なんか変にパラドックスを感じるね」

「そうやって満を持して
ようやく西野家の全貌が明らかにされる
外観と内装のギャップ
これってつまり
西野自身のことだよね
ギャップはあれど
よくよく外見を観察すると
言われてみればそうかも的な
トンデモな中身
はいいんだけど
この会話もけっこう
トンデモな長さなんだけど
いい加減終わりませんか?」

20160511-00000012-eiga-000-view

「あーちょい待ち
あと1つ
西野がずっと高倉に銃向けたまま
撃たない間に
康子が夫に注射打っちゃって
気絶させてしまうくだり
あれってどう解釈してる?
最初は夫の説得に応じて
彼の方に身を預けた康子が
あろうことかいきなり注射針ブチュ!って
ラリってる人の行動理由なんて
聞くだけ野暮かもとは思うんだけど」

「野暮だよ」

「・・・マジそれだけ?」

「うん というのはさ
まずこれ読んでみてよ

「黒沢清の映画術」の抜粋

ちょっと引用するね

小説は

本当は起こらなかったことを

起こったかのように書きますが

映画の唯一の強みは

これはかつて本当に起こった

ということなんです

これは彼自身の言葉だけど
つまり
それが嘘であろうがなんであろうが
画面にそれが映し出されてるってことは
実際に行われたことに間違いないってこと」

「・・・だから?」

「我々は現実社会に於いて
事後的にしか物事を考察出来ないってことよ
それがなされたことを省みて
ああだったんではないか
こうだったとも言えると
あれこれ思考するしか手立てはない
現実に生きててぜーんぶそうじゃない
違う?」

「・・・違わない」

「でしょ
康子が夫の方へ振れたのは
そうしたかったからだし
澪の母親を躊躇なく撃ち殺した西野が
結局高倉を撃てなかったのは
撃ちたくなかったからで
康子が夫に注射針刺したのは
そうすべきだと判断したからに過ぎないわけ
わかった?」

「・・・なんかうまい具合に
ダマくらかされてるような・・・」

「鈍いなぁ
どういう風にも解釈可能だって言ってんだよ
あぁー眠い帰りたいもぉ」

「はぁ・・・」

「西野が澪の母をいきなり撃てたのは
彼女に殺されかけてた事に
我を忘れるほど腹が立ってたからかもしれないし
全然別の理由からなのかもしれない
康子の注射針ブチュ!は
このままだと彼が西野に撃たれると感じて
先に彼を眠らせることで救ったのかもしれないし
本気で君を守る なんて言葉を
軽々しく此の期に及んでまた口にしてる彼に
ガチでムカついたからかもしんないし
そうじゃないかもしれない
真実なんて
やった本人にさえ分かってないこと多いじゃない
違う? 違くない? 眠い? 眠くない? 眠い」

「私も正直かなり眠いです」

「はいじゃあこれまで」

 

20160624-101705

「最後にラスト直前のくだりのことを
ちょっとだけ話しませんか?」

「イヤですね」

「車停めて
また自分好みに並んでる家々に目星をつけ
やっぱ邪魔だなこいつ ということで
犬にじいっと銃を向け続ける西野
あそこほんとムッチャ緊張したんだけど
・・・もしもし?・・・聞いてました?」

「・・・ん?」

「まさか寝てました?」

「悪いかよ」

「聞いてました今の?」

「寝てんのに聞けるかよ」

「・・・・・・・」

「んー・・・だから
あそこのシーン何が凄いって
引きの画のまま犬が撃たれるのを見てられない
っていう康子の動きを捉えてるとこだよ
普通ならその康子の動きを
カット割って別撮りしそうなもんだけど
そんなクソ面白くもないこと決してしないのが
やっぱ世界レベルの証なんですよ
その引きのままで
康子は実のところ脱洗脳しかかってる
ってことを示した上での
その後の夫の動きへの繋ぎ
撃てない西野が高倉の手錠を外し
犬を撃ち殺させるため銃を手渡す
素直に従うかに見えた高倉
あの時 彼を見てどう思った?」

「え? どう思った?」

「うん 言われるまま犬を殺すと感じた?」

「・・・正直
どうなるか予想できなかったけど・・・」

「俺はさ 絶対に西野へ振り返るって確信したの」

「なんで?」

「高倉の目がラリってる目じゃなかったから
要するに
映画内でラリってる演技をしてる設定なんだけど
目だけラリってないわけ
単に怒り狂ってる目をしてんのよ西島秀俊が
これって凄くないかい?」

「確かに それが本当なら」

「嘘言ってるって言うのかいこんな眠たいのに」

「眠いの関係ないし」

「演技してる高倉に最後まで気づかなかった西野
なんで見事に騙せたのか?
結局は同じ穴のムジナだったからだよ」

「はぁーなるへそぉ」

「高倉は下車した瞬間に
背中に西野を感じながら
顔つきを変えたんだよ
演技をやめて目つきが正常(怒り)に変わった
と考えていいと思う」

「引きの画のままの康子の動きは
そう受け取ってもらうための伏線だったと」

「That’s right!
ベッドで仰向けのまま意識朦朧としてた段階から
出方を伺ってたとも考えられる」

「あー
康子にクッキーみたいなのをもらってるあの時
てことは あの段階で康子も
洗脳なんてされてなかったかもしれない と」

「解釈はご自由に」

「下手に動くと
澪を含めた全員の命が危ないってことで
我慢に我慢を重ねてたってことだね
あの時もし犬が撃たれてたら
それはそれで仕方ないと
諦めるしかなかったわけか」

「なんでそこで撃たないのかって
西野に疑問を抱いた途端
疑問を抱いた側が
敗北する仕掛けになってるのが
今作なんだと思う
自分で汚れ仕事はしないっていうのは
単なる自然発生的ルールであって
あくまで恣意的なもんなんだよ
犬が死なずに済んだのは
偶然が重なった単に運の問題に
過ぎないのかもしれない」

「犬が西野の手で撃たれてたら
高倉の手錠はまだ外されてないかもしれない」

「そういうこと
足を怪我したからって
こっちへ倒れこんできたんで
大丈夫ですか? って聞いたら
ニタッと笑いかけられた
これが西野であり
実は 黒沢清の演出なんだよ」

「ラストの康子の叫び
あんな見事な慟哭
生まれて初めて見たかもしれないです私」

「あれは天晴れだ
さすが竹内結子 女優の鑑だよ彼女は
それまでいろんな幅で振れ続けていた「映画」が
あの叫び声一発で 一切の動きを止め
そのベクトルを垂直に吹き上げたように見えたのは
俺だけだろうか?」

「いえ 私にもそう見えた気がする」

「さっき確実に目撃してしまった夫の銃声3発
を含む 過去の一切合切と
これから起こるであろう不透明な未来予想図が
やまない叫びとなって空高く吸い込まれてゆき
壊れそうになる声の主を
力の限り抱きしめてやる夫の高倉
見事という他ないラストだ」

20160624-101541

「監督の次回作 本当に楽しみです」

「なんだっけ?」

「何やら全編フランス語の作品らしいですよ」

「マジか!?」

「じゃあ そろそろ閉店しましょうか?」

「そうだね 倒れそうだわマジ あっ!」

「何です?」

「シチュー」

「は?」

「康子が西野のとこへ持ってったシチューよ」

「はぁ それが?」

「スンバラシイじゃんあの描写
両手で鉢を持ってやってくるあの姿さぁ
何か想い起こさないか?」

「さてと 何でしょ
何かの映画だとか?」

「俺の口から言えないから
あんたに頼んでんだよ」

「・・・さっぱりです」

「両手で何かを手にしてるってことは
両手がふさがってるってことだろが」

「当たり前ですねそれって」

「当たり前じゃねぇよ
こんな映画的瞬間滅多にあるかよボケぇー!」

「ご自分の口から言えばいいんじゃ・・・」

「うるせぇー 死ねボケ クソがぁー!」

「・・・だんだん腹立ってきた」

「ラップなんかせずに
そおーっと用心深く持ってきて
それを手元のアップで
撮ってたらああアァァァァァーーーーー
・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・
泡吹いて失神しました
以上です
おやすみなさい」

 

creepy02

“クリーピー 偽りの隣人” への 4 件のフィードバック

  1. 4人と1匹の逃避行。絶望的な眼でハンドルを握る竹内結子が格好いい素晴らしい幕切れ!と思ったらもう少し続きがありました。

    >「スンバラシイじゃんあの描写
    >両手で鉢を持ってやってくるあの姿さぁ
    >何か想い起こさないか?」

    「汚名」のケーリー・グランドが運ぶ牛乳?でもあれはお盆に載せて片手ででしたよね。気になるので是非教えてください。

    あのシチュー、受け取った西野は澪の母親に餌として与えたと私は確信しています。

    1. ぽぽこさん お久しぶりです

      シチューは澪の母の餌だと
      またも鋭い指摘 ありがとうございます
      いただきまーす(笑)

      そもそもあの不気味な家へ
      わざわざシチューを持っていくという行動が
      もう既に西野へ傾きかけている康子の揺らぎを
      十分に示唆していたと思います

      両手が塞がってしまうシチュエーション
      いろいろ思いつきますねぇ

      ジョン・ウェインのテーブルへ
      メキシコ料理を運んでくる女中たちを筆頭に
      あれもこれもと出てきますが
      ここで言及している作品については
      あるフランス人から「口外無用」と強く言われてしまったんで
      残念ですがここで私の口から申すことは控えさせていただきます

      それより
      両手が塞がった状態でどんなことができるか
      最近毎朝のように実践しております

      昨日の朝なんか
      両手で植木鉢持ったまま洗濯物が干せるのか
      をやってたら 警察の方がやってきました

      「通報がありまして
      ベランダに奇妙な男がいると」

      「奇妙かもしれませんが
      私はここの住人です」
      と言って帰ってもらいましたが

      その警察官
      1人でした

  2. 明けましておめでとうございます。

    昨年も管理人さんのブログのお陰でたくさんの新たな映画達との新鮮な出逢いがありました。
    特に忘れられないのは「青空エール」と「ジャングルブック」です。ありがとうございました。

    ただ新たに気になる監督の名前を覚えたり観たい映画のジャンルが増えたりすると取り零してしまう作品もさらに多くなってしまうのが悩みの種です。

    新年の初映画観賞は先日観た「ドント・ブリーズ」、「アルジエの戦い」、「ヒッチコック/トリュフォー」の3本立てでした。
    今年も面白い映画を少しでもたくさん観に行けたらいいなと思っています。

    さて「ダゲレオタイプの女」ですが何とか昨年末に2回目を観に行く事が出来ました。

    「死がふたりを分かつまで・・・」

    泣けました、彼が哀れで。
    舞台はフランスですが日本の怪談噺のようで華奢で儚げなヒロインの所作や佇いもとても美しかった。

    不満は怖さが足りないところ?
    自殺した妻が現れるシーンはもっと気味悪くぞっとするようなものであってほしいなと思いました。
    それとせっかくのダゲレオタイプという装置を駆使してもっとヒロインを苛める姿が見たかったです。

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