木屋町 DARUMA

2015/10/12 第七藝術劇場
7/10

カメラが実に素晴らしいとか
音が突出してるとか
そんなものはありません
普通にみなさん
プロの仕事をされてるだけです
だから
そんなもの無くても
これだけ面白いものが出来るんだ
という証明になってます

 

まずは何より 遠藤憲一です
ジタバタする必要のない現在の彼が
この主役を了承したという事実だけで
すでに凄いことなのに
予測不能な身体描写で
さらに我々を圧倒するという
これぞ役者魂ですね
「ビジターQ」の彼を見ているとはいえ
やはり今回も突き抜けてくれてるんですよ
映画の規模なんかクソくらえ
やりたい役をやるだけだ
この男気こそ任侠ちゃうんかい
と終始低音で啓蒙してくるプレッシャー
ハンパないっす

その彼の役柄が
タイトルにもなってるということで
一人称・・・
いやこれは今回の場合無理っぽいですね
でなきゃ介助するためべったりくっついてる
三浦誠己との二人三脚・・・
三脚も今回は無理っぽい じゃなく
はっきり 無理ですね
ややこしいなホント
何が言いたいかと言うとですね
遠藤、三浦の二人が
常に画面にへばりついてるんじゃなく
遠藤だけのシーン
三浦と誰かのシーン
二人とも出てこないシーン
というように
三人称で勝負に来てるということなんですよ
それぞれが非常にバランスよく散りばめられている
脚本家つまり原作者と 監督との連携ですね
とてもいい具合に進んだと見受けられます
内容は過酷ですが
映画としてとても幸福なんです

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その三浦くん
出だしはちょっと線が細いなぁ
なんて危惧しましたけど
酸いも甘いもどころでなく
全身が並の半分以下になった遠藤との
激しい掛け合いなど
つまり彼とどんどん絡み続けることによって
みるみる一人前へと変貌して行くんですね
映画の中でですよ アッパレです

そんな二人を
持ち前の根性でサポートしてるのが
武田梨奈ちゃん よくやった!!
かつて誰も見たことがない壊れっぷりです
腕をペロリと舐められ
スカートの中へ首を突っ込まれ
トラウマMAXの挙句
NGなしの風俗界へ落とし込められる女を
見事ながんばりで演じてます

そして
彼らに決して引けをとらぬ凄味を帯びてるのが
吉本新喜劇にいたこともある 木下ほうか
私とタメなんですね彼
うっかりしてると
その内にある凶暴性を見過ごしてしまいかねない
のっぺりした表情から繰り出される恐ろしいパンチ
一目でそれと解る格好で街を闊歩してた昔とは違い
え ヤクザだったんですか!?
の連発である現在を見事に体現しているキャラですね
北野映画で慣れてた筈なんですが
やっぱ改めてこういう風に演じられると
かなりヤバいっすね

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ちょっと惜しかったのは キム兄
本来ならもっともっと迫力出せる筈なんですけどね
「Zアイランド」とかムッチャ良かったのに

遠藤憲一の背中しか見えてなかった
にもかかわらず
遠藤はいつも自分と同じ高さから接してくれてた

というドラマ内の括りに
もしかしたら 縛られ過ぎたのかもしれませんね

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このちょっと調子の悪いキム兄をサポートするように
演出意図を汲んでたのが 梶原雄太でした
まんま あるあるですよね
髪型といい 体型といい 喋り方まで
いるいるこんなチャラそうなチンピラ

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両腕両脚のない日々を
介助されながらどうやり過ごしているのか
もちろんヤクザであろうが
オムツをし
固定された電動歯ブラシを使い
体を洗ってもらい
服を着せてもらい
コンビニ弁当へ口をくっつけながらムシャクシャ食べる
こういった一連の動作を端折ることなく
丁寧に見せてくれていたからこそ
キム兄が自決した瞬間
遠藤がやりたくても出来なかった“動き”が
浮き彫りになるんですね
それは 今まさに目の前で見た
チャカをこめかみに向けて
引き金を絞る動きに他ならなかったワケです
舌を噛み切ったり
毒を胃に流し込んだり
そんな女々しい終わり方など
彼以外の周囲さえも許すはずがないことは
自身が一番理解しているのです

ゴルフクラブで脳天を血だらけにされた恍惚の顔
あれが彼の答です
もはや 誰かに殺られるのを待つしかない
のではなく
せめて死に様の選択肢に囲まれる夢を見ていたい
という“絶望”とともに
望まぬ生を考えない ことができない
謂わば ないがしろな日々で生きている
と言ってしまっていいかもしれません

自らが選んだアジア系組織への単独乗り込みにより
まさかの不自由さを背負わされ
その死に様を放棄した姿を見て
笑い死にでもするしか手立てがない毎朝毎夜
思えばあの咄嗟の判断が人生最後の選択だった と
脳が枯れ切るまで残像と共生すること
これを DARUMA と呼ぶのかもしれません

 

どこも出版してくれないんなら
いっそのこと 映画にしちまえ!

この胸のすく逆転劇

できれば劇場で体感してください

 

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